NFTを購入したり送ったりしていると、「Etherscanで確認してください」「取引ハッシュを確認してください」と案内されることがあります。
Etherscanのようなサービスは「ブロックチェーンエクスプローラー」と呼ばれ、ブロックチェーン上に記録された取引やウォレット、スマートコントラクトなどの情報を検索するために使われます。Etherscan自身も、ブロックエクスプローラーをブロックチェーンの検索エンジンのようなものとして説明しています。
NFTでは、取引が正常に完了しているか、どのウォレットへ送られたか、コントラクトアドレスは何か、過去にどのような移動があったかなどを確認するときに役立ちます。
この記事では、NFT初心者でも使えるように、ブロックチェーンエクスプローラーの基本からEtherscanを使った確認方法まで順番に解説します。
💡 この記事でわかること
- ブロックチェーンエクスプローラーとは何か
- NFTについて確認できる情報
- Etherscanなどの基本的な使い方
- ウォレットアドレスや取引履歴の確認方法
- NFTを確認するときの注意点
NFTのブロックチェーンエクスプローラーとは
ブロックチェーンエクスプローラーとは、ブロックチェーン上に記録された情報を検索・閲覧するためのサービスです。

ブロックチェーンには取引の記録が残されていますが、そのままでは一般の利用者にとって読みづらいため、エクスプローラーがアドレスや取引履歴などを見やすい形で表示します。
ブロックチェーン上の情報を検索できる
たとえばEthereumのEtherscanでは、検索欄に次のような情報を入力できます。
- ウォレットアドレス
- コントラクトアドレス
- 取引ハッシュ(Txn Hash)
- Token
- ブロック番号
現在のEtherscanでも、アドレス、取引ハッシュ、ブロック、トークンなどを検索できる仕様になっています。
NFTの画像を見るためのサービスというより、NFTの裏側にあるブロックチェーン上の記録を確認するサービスと考えるとわかりやすいでしょう。
NFTマーケットプレイスとは役割が違う
OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスでは、NFTの画像、販売価格、コレクション情報などを見やすく確認できます。
一方、ブロックチェーンエクスプローラーでは、取引元・取引先のアドレスや取引ハッシュ、コントラクト情報など、ブロックチェーンに記録された情報を中心に確認します。
マーケットプレイス上の表示だけで判断せず、エクスプローラーと組み合わせることでNFTの情報をより詳しく調べられます。
NFTマーケットプレイスについては、NFTマーケットプレイスの選び方も参考になります。
NFTで確認できる主な情報
ブロックチェーンエクスプローラーでは、NFTに関するさまざまな情報を確認できます。
| 確認できる情報 | 内容 |
|---|---|
| ウォレットアドレス | NFTを保有・送受信しているアドレス |
| コントラクトアドレス | NFTのスマートコントラクトを識別するアドレス |
| Token ID | 同じコントラクト内でNFTを識別する番号 |
| 取引ハッシュ | 個々の取引を特定するための識別情報 |
| From・To | NFTやトークンの送付元・送付先 |
| 取引ステータス | 取引が成功したか失敗したか |
| ガス代 | 取引時に支払われたネットワーク手数料 |
| NFTの移動履歴 | 過去にどのアドレス間を移動したか |
EtherscanのNFT関連ページでは、所有者、コントラクトアドレス、取引履歴などを確認でき、NFT Transfersでは送付元・送付先やERC-721・ERC-1155といった種類も確認できます。
コントラクトアドレスについて詳しく知りたい場合は、NFTのコントラクトアドレスを解説をご覧ください。
代表的なブロックチェーンエクスプローラー
利用するエクスプローラーは、NFTが発行されているブロックチェーンによって異なります。
代表的なものは次の3つです。
| ブロックチェーン | 代表的なエクスプローラー |
|---|---|
| Ethereum | Etherscan |
| Polygon | PolygonScan |
| BNB Smart Chain | BscScan |
公式サイトはこちらです。

PolygonScanはPolygon上の取引情報を表示するブロックエクスプローラーで、BscScanはBNB Smart Chainの取引やアドレスなどを検索するブロックエクスプローラーです。
NFTがあるチェーンに合ったエクスプローラーを使う
同じような形式のウォレットアドレスでも、EthereumとPolygonでは記録されている取引が異なります。
Ethereum上のNFTを確認したい場合はEtherscan、Polygon上であればPolygonScanというように、NFTが存在するチェーンに対応したエクスプローラーを使います。
NFTのチェーンについては、NFTのチェーン違いを解説も参考になります。
EtherscanでNFTを確認する方法
ここからはEthereumの代表的なブロックチェーンエクスプローラーであるEtherscanを例に、基本的な確認方法を見ていきます。

EtherscanはEthereum上の取引やアドレス、スマートコントラクトなどを検索できるサービスで、NFTのERC-721・ERC-1155の移動履歴にも対応しています。
1.確認したい情報を検索する
Etherscanを開き、画面上部の検索欄に確認したい情報を入力します。
たとえば、NFTのコントラクトアドレスを入力すれば、そのコントラクトに関するページを表示できます。
ウォレットアドレスを入力した場合は、そのウォレットに関連する取引履歴やNFTの移動履歴などを確認できます。
2.コントラクトアドレスを確認する
NFTのコントラクトページでは、コントラクトアドレスや取引履歴、NFT Transfers、Contractなどの情報を確認できます。検証済みのコントラクトではソースコードやRead Contractなどが表示される場合もあります。
NFTが本物か確認するときは、表示されたコントラクトアドレスを公式サイトや公式SNSなどで案内されているアドレスと照合します。
「Etherscanに表示されたから本物」という意味ではない点には注意が必要です。
3.Token IDや所有者を見る
Etherscanには個別NFTの情報を表示するページがあり、NFTのコントラクトアドレスや現在の所有者などを確認できます。
NFTを特定するときは、
コントラクトアドレス+Token ID
の組み合わせを見るのが基本です。
Token IDだけでは、別のコントラクトに同じ番号のNFTが存在する可能性があります。
4.ERC-721・ERC-1155を確認する
EtherscanではNFTの取引情報からERC-721・ERC-1155の種類を確認できる場合があります。NFT Transfersの公式説明でも、NFTのTypeとしてERC-721またはERC-1155が表示されることが案内されています。
両者の違いについては、NFTのERC-721・ERC-1155を解説をご覧ください。
ウォレットアドレスからNFTの履歴を見る方法
NFTがどこから送られてきたのか、どこへ送付したのかを確認したい場合は、ウォレットアドレスから調べる方法が便利です。
ウォレットアドレスを検索する
Etherscanの検索欄に、自分または確認したいウォレットアドレスを入力します。
アドレスページには通常のTransactionsだけでなく、NFT Transfersなどの活動履歴が用意されており、そのアドレスに関係するNFTの移動を確認できます。
NFT Transfersを確認する
NFT Transfersでは、NFTの送付元や送付先、取引情報などを確認できます。
たとえば、
From:Aのウォレット
To:Bのウォレット
と表示されていれば、AからBへNFTが移動した記録を確認できます。
Etherscanの公式案内でも、NFT取引の詳細から以前の所有者、受取側のアドレス、購入したNFT、価格、ガス代などを確認できる例が紹介されています。
NFTを送ったのにウォレットに表示されない場合でも、まずエクスプローラー上で送付先アドレスや取引履歴を確認すると、ブロックチェーン上で実際に移動しているかを判断しやすくなります。
NFTの送付については、NFTを送る方法も参考になります。
取引ハッシュから取引内容を確認する方法
NFTを購入・送付・ミントすると、取引ごとに「取引ハッシュ」が作成されます。
Transaction Hash、Txn Hash、TxHashなどと表記されることもあります。

取引ハッシュは各取引を識別するための情報で、Etherscanの検索欄へ入力すると、その取引の詳細を確認できます。
取引が成功したか確認する
取引詳細ページでは、まず「Status」を確認します。
Etherscanでは、取引が正常に処理された場合はSuccess、失敗した場合はFailedとして確認できます。
ウォレット側でNFTがすぐに表示されない場合でも、エクスプローラー上でSuccessになっていれば、少なくとも対象のブロックチェーン上では取引が処理されたことを確認できます。
FromとToを確認する
次に、送付元と送付先を確認します。
NFT送付の場合は、目的のウォレットへ送られているかを特に確認してください。
アドレスは非常に長いため、最初と最後の数文字だけで判断するのではなく、可能であればコピーして照合する方が安全です。
ガス代も確認できる
取引詳細からは、その取引で発生したネットワーク手数料も確認できます。
NFTの購入価格とは別にガス代が発生する取引もあるため、「実際にいくらかかったのか」を確認するときにも役立ちます。Etherscanの公式NFT取引例でも、購入価格とガス代が別々に確認されています。
NFTのガス代については、NFTのガス代を解説も参考になります。
NFTが本物か確認するときにも使える
ブロックチェーンエクスプローラーは、NFTの偽物を見分けるときにも役立ちます。
ただし、エクスプローラーを開くだけで本物かどうかが自動判定されるわけではありません。
公式のコントラクトアドレスと照合する
最も重要なのは、NFTのコントラクトアドレスを公式情報と照合することです。
偽物のNFTでもERC-721やERC-1155で発行でき、ブロックチェーン上に正常なトークンとして存在できます。
そのため、
- 公式サイトや公式SNSなどで正規のコントラクトアドレスを確認
- マーケットプレイスに表示されたアドレスを確認
- エクスプローラーで同じアドレスか照合
という流れで確認すると判断しやすくなります。
詳しくは偽物NFT・詐欺の見分け方も参考にしてください。
ブロックチェーンエクスプローラーを見るときの注意点
エクスプローラーは非常に便利ですが、表示されている情報の意味を誤解しないことが重要です。
表示されるNFTがすべて安全とは限らない
ウォレットアドレスを検索すると、自分で購入していないNFTや見覚えのないトークンが表示される場合があります。
ブロックチェーン上に記録されているという事実と、そのNFTが安全・正規であることは別です。
知らないNFTが送られてきた場合は、記載されたURLを開いたり、安易に外部サービスへウォレットを接続したりしないようにしましょう。
見覚えのないNFTについては、知らないNFTがウォレットに届いたときの対処法も参考になります。
エクスプローラーはウォレットではない
Etherscan、PolygonScan、BscScanなどは取引情報を確認するサービスであり、通常のウォレットのようにユーザーの秘密鍵を保管したり、取引を自由に取り消したりするサービスではありません。
Etherscan、PolygonScan、BscScanはいずれも、自身がウォレットサービスではなく、取引をコントロールしたり失った資産を取り戻したりする立場ではないと案内しています。
チェーンを間違えない
同じウォレットアドレスでも、Ethereum、Polygon、BNB Smart Chainなどチェーンごとに表示される取引履歴は異なります。
「EtherscanにNFTが表示されない」という場合でも、実際にはPolygon上のNFTだったというケースも考えられます。
まずNFTがどのチェーンに存在しているかを確認し、それに対応するエクスプローラーを使いましょう。
初心者はどこを確認すればいい?
ブロックチェーンエクスプローラーには非常に多くの情報が表示されるため、すべて理解する必要はありません。
NFT初心者であれば、まず次の5項目を確認できれば十分です。
- Status:取引が成功しているか
- From:どこから送られたか
- To:どこへ送られたか
- Contract Address:どのNFTコントラクトか
- Token ID:どのNFTか
NFTを送付したときは「Status・From・To」、NFTが本物か確認するときは「Contract Address・Token ID」というように、目的によって見る場所を変えるとわかりやすくなります。
過去の取引を詳しく確認したい場合は、NFTの取引履歴を確認する方法も参考になります。
よくある質問
Etherscanを見るだけで料金はかかる?
通常、Etherscanで公開されているブロックチェーン情報を検索・閲覧するだけでガス代は発生しません。ガス代はブロックチェーン上で取引を実行するときに発生するものです。
EtherscanにNFTが表示されないのはなぜ?
違うチェーンのエクスプローラーを見ている、ウォレット側のアドレスを間違えている、まだ取引が処理されていないなど複数の原因が考えられます。まずNFTのチェーン、送付先アドレス、取引ハッシュを確認してください。
取引がSuccessならNFTの送付は成功している?
対象の取引がSuccessで、NFTのTransfer先が目的のウォレットアドレスになっていれば、ブロックチェーン上ではその取引が正常に処理されたことを確認できます。Etherscanでは取引ハッシュからSuccess・Failedなどの状態を確認できます。
Etherscanに表示されれば本物のNFT?
表示されるだけでは本物とは判断できません。偽物のNFTもブロックチェーン上に発行できます。公式情報に記載されたコントラクトアドレスとの照合が重要です。
取引をEtherscanから取り消せる?
Etherscanは取引情報を表示するブロックエクスプローラーで、完了した取引を自由に取り消したり、失った資産を返金したりするサービスではありません。
まとめ:エクスプローラーを使えばNFTの記録を確認できる
ブロックチェーンエクスプローラーを使うと、NFTの取引履歴やウォレットアドレス、コントラクトアドレス、Token ID、送付元・送付先などを確認できます。
EthereumならEtherscan、PolygonならPolygonScan、BNB Smart ChainならBscScanというように、NFTが存在するチェーンに対応したエクスプローラーを使うのが基本です。
特にNFTを購入・送付したあとに「ちゃんと取引できたのかわからない」という場合は、ウォレットやマーケットプレイスの画面だけでなく、取引ハッシュをエクスプローラーで確認すると状況を把握しやすくなります。
また、NFTが本物か調べるときは、コントラクトアドレスの照合にも活用できます。
最初からすべての項目を理解する必要はありません。まずはStatus・From・To・Contract Address・Token IDを読めるようになると、NFTの取引内容を自分で確認しやすくなります。
執筆者情報:エヌエフトリウム
エヌエフトリウムは、NFTやブロックチェーンに関する情報を初心者にもわかりやすく発信するメディアです。NFTの購入代行・販売代行・出品代行・ミント代行などのサービス提供に加え、市場動向や技術の基礎知識もブログでわかりやすく解説しています。
