日本円建てのステーブルコイン「EJPY」が、Japan Open ChainおよびEthereum上で発行される方針であることが発表されました。
日本ブロックチェーン基盤株式会社は、信託型スキームの構築に目途が立ったことから、日本円建てステーブルコイン「EJPY」を発行する方針を正式に決定したと発表しています。EJPYは、2026年度内のJapan Open Chain上での発行・流通に向けて準備が進められる予定です。
ステーブルコインという言葉を聞いたことがあっても、「普通の暗号資産と何が違うのか」「日本円建てのステーブルコインが出ると何が変わるのか」は、少しわかりにくい部分です。
特にNFTやWeb3サービスでは、ウォレット、暗号資産、ガス代、ブロックチェーンなど、初心者には理解しにくい要素が多くあります。
日本円に連動するステーブルコインが広がれば、将来的にWeb3決済やデジタル資産の取引が、より使いやすくなる可能性があります。
この記事では、日本円ステーブルコイン「EJPY」の概要や、Japan Open Chainとの関係、Web3決済やNFTに与える可能性について、初心者向けにわかりやすく解説します。
💡 この記事でわかること
- 日本円ステーブルコイン「EJPY」とは何か
- ステーブルコインの基本的な仕組み
- Japan Open Chainとの関係
- EJPYがWeb3決済に与える可能性
- NFTやデジタル資産決済との関係
日本円ステーブルコイン「EJPY」とは?
EJPYとは、日本円に連動する形で発行が予定されている日本円建てステーブルコインです。

ステーブルコインとは、円やドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計されたデジタル資産のことです。ビットコインやイーサリアムのように価格が大きく変動する暗号資産とは異なり、決済や送金で使いやすいように、価値の安定を目指して設計されます。
今回発表されたEJPYは、Japan Open Chain上での発行・流通を中核として準備が進められています。また、Ethereum上での発行も予定されており、将来的にはマルチチェーン対応も視野に入れていると説明されています。
EJPYで想定されている使い道
日本ブロックチェーン基盤株式会社の発表では、EJPYの活用先として、企業間決済、デジタル資産決済、送金、各種Web3サービスでの決済などが想定されています。
つまりEJPYは、単に投資目的で売買される暗号資産というより、ブロックチェーン上で実際の支払いや価値移転に使うための「デジタルなお金」に近い存在と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、現時点ではEJPYがすぐに一般ユーザー向けに利用できるという段階ではありません。取扱開始時期、発行条件、取扱事業者、利用可能なサービスなどは、今後決定次第あらためて公表されるとされています。
ステーブルコインとは?初心者向けに簡単に解説
ステーブルコインは、価格の安定を目指して設計されたデジタル資産です。
たとえば、1枚あたり1円、または1ドルのように、特定の法定通貨と価値が連動することを目指す仕組みが一般的です。
通常の暗号資産は、価格が大きく上下することがあります。ビットコインやイーサリアムは代表的な暗号資産ですが、日によって価格が変動するため、投資対象として注目される一方で、日常的な決済や企業間の支払いには使いにくい面があります。
一方、ステーブルコインは、価格の安定を重視することで、決済、送金、Web3サービス内の支払いなどに使いやすくすることを目的としています。
暗号資産とステーブルコインの違い

初心者向けに言えば、ステーブルコインは「ブロックチェーン上で使える、価格が安定しやすいデジタルなお金」のようなものです。
もちろん、ステーブルコインにも発行体の信用、裏付け資産の管理、規制対応、対応サービスの有無など、確認すべきポイントはあります。
| 比較項目 | 暗号資産 | ステーブルコイン |
|---|---|---|
| 代表例 | ビットコイン、イーサリアムなど | 日本円建て・米ドル建てのステーブルコインなど |
| 価格の特徴 | 大きく変動しやすい | 法定通貨との連動を目指す |
| 主な用途 | 投資、送金、NFT購入、DeFiなど | 決済、送金、企業間取引、Web3サービス決済など |
| 初心者から見た印象 | 価格変動があり難しく感じやすい | 円やドルに近い感覚で理解しやすい |
特に新しいステーブルコインについては、どの事業者が発行・管理し、どのサービスで利用できるのかを確認することが大切です。
日本ではステーブルコインの制度整備も進んでいる
日本では、ステーブルコインをめぐる制度整備も進んでいます。
2023年6月に施行された改正資金決済法により、一定のステーブルコインは「電子決済手段」として整理されました。これにより、日本法上の位置づけが明確になり、発行や流通に関するルール整備が進んでいます。
これは、EJPYのような日本円建てステーブルコインを理解するうえでも重要です。
暗号資産のように価格変動を前提としたものではなく、決済や送金に使うデジタルな価値として扱われるため、発行体や流通の仕組みには高い信頼性が求められます。
「日本円建て」であることの意味
日本円建てのステーブルコインは、日本国内のユーザーにとって金額感をつかみやすい点が特徴です。
たとえば、NFTやデジタル資産の価格がETHで表示されている場合、初心者は「結局、日本円でいくらなのか」を毎回確認する必要があります。
一方、日本円に連動するステーブルコインであれば、円に近い感覚で金額を理解しやすくなります。
これは、Web3サービスを一般ユーザーや企業が利用するうえで、大きなメリットになる可能性があります。
EJPYの主な特徴
EJPYには、いくつか注目したい特徴があります。
特に重要なのは、以下の3つです。
- 日本円建てのステーブルコインであること
- 信託型スキームを前提としていること
- Japan Open ChainとEthereum上での発行を予定していること
それぞれ簡単に見ていきましょう。
日本円建てのステーブルコインである
EJPYは、日本円に価値が連動することを前提としたステーブルコインです。
日本国内のユーザーや企業にとって、日本円ベースで価値を把握しやすい点は大きな特徴です。
Web3やNFTの世界では、ETHや米ドル建てステーブルコインが使われることも多く、日本の初心者にはわかりにくい場面があります。
日本円建てのステーブルコインが普及すれば、デジタル資産の購入やWeb3サービス内の支払いを、より身近に感じやすくなる可能性があります。
信託型スキームを前提としている
EJPYは、信託型スキームによる日本円建てステーブルコインとして発行される方針です。
信託型とは、裏付けとなる資産の管理に信託の仕組みを使う方式です。
ステーブルコインは「価値が安定していること」が重要なので、どのように裏付け資産を管理するのかが大きなポイントになります。
そのため、今後発表される発行条件、取扱事業者、償還の仕組み、利用可能サービスなどを確認することが重要です。
Japan Open ChainとEthereum上での発行を予定している
EJPYは、Japan Open ChainとEthereum上での発行が予定されています。
まずはJapan Open Chain上での発行・流通を中心に準備が進められる予定です。
Ethereum上での展開も視野に入っているため、将来的には複数のブロックチェーン上で利用できる可能性があります。
ブロックチェーンは、それぞれ対応するサービスやウォレット、手数料、利用者層が異なります。複数のチェーンに対応できることは、実用性を高めるうえで重要な要素になります。
Japan Open Chainとは?
Japan Open Chainは、日本企業が運営に関わるEthereum互換のパブリックブロックチェーンです。
公式情報では、Japan Open Chainは日本企業によって運営されるEthereum完全互換のパブリックブロックチェーンとして説明されています。EJPYについても、Japan Open ChainとEthereum上で発行する方針が発表されています。
Ethereum互換であるため、Ethereumの技術や開発環境とつながりやすい点が特徴です。
NFTやWeb3サービスの多くはEthereum系の技術と関係しているため、Ethereum互換のブロックチェーンは、既存のWeb3サービスとの接続性を考えるうえでも重要です。
日本企業が関わるブロックチェーン基盤
Japan Open Chainは、日本企業が運営に関わる点も特徴です。
Web3サービスを企業が導入する場合、単に技術的に使えるだけでは不十分です。法令対応、運営体制、信頼性、企業利用のしやすさなども重視されます。
そのため、日本企業が運営に関わるブロックチェーン基盤は、企業や自治体がWeb3を導入する際の選択肢になり得ます。
EJPYがJapan Open Chain上で発行・流通することで、ブロックチェーン上の決済や送金をより実用的にする動きにつながる可能性があります。
EJPYはWeb3決済にどんな影響がある?

EJPYが注目される理由は、日本円建てのステーブルコインがWeb3決済の使いやすさを高める可能性があるためです。
現在のWeb3サービスでは、ウォレットを用意し、暗号資産を購入し、送金やガス代を理解したうえで利用する必要があります。
この流れは、初心者にとってかなり大きなハードルです。
日本円建てステーブルコインが使いやすくなれば、将来的にはWeb3サービス内の支払いを、より日本円に近い感覚で扱えるようになる可能性があります。
企業間決済に使われる可能性
EJPYは、企業間決済での活用が想定されています。
企業間決済では、支払いの確認、送金コスト、着金までの時間、海外送金の手続きなどが課題になることがあります。
ブロックチェーン上で日本円建ての価値移転ができるようになれば、企業同士の決済や取引の効率化につながる可能性があります。
もちろん、実際にどのような企業やサービスで使われるかは、今後の発表を確認する必要があります。
デジタル資産決済に使われる可能性
EJPYは、デジタル資産決済での利用も想定されています。
デジタル資産には、NFT、デジタル会員権、デジタルチケット、ゲーム内アイテム、トークン化された権利など、さまざまなものが含まれます。
これらの売買や利用に日本円建てのステーブルコインが使えるようになれば、暗号資産の価格変動を気にせずに取引しやすくなる可能性があります。
特に日本国内向けのWeb3サービスでは、円建てで理解できる決済手段があることは、利用者の安心感につながります。
Web3サービスの決済手段が広がる可能性
Web3サービスでは、ウォレット接続やトークン決済が使われることがあります。
しかし、支払いに使う通貨がETHや海外ステーブルコインだけだと、日本の一般ユーザーにはわかりにくい場合があります。
日本円建てステーブルコインが利用しやすくなれば、日本国内向けのWeb3サービスにおいて、決済手段の選択肢が広がる可能性があります。
Web3を一部の詳しい人だけのものにせず、一般ユーザーや企業にも使いやすくするうえで、日本円ベースの決済手段は重要なテーマといえるでしょう。
NFTにはどんな関係がある?
EJPYはNFT専用のステーブルコインではありません。
しかし、NFTを含むデジタル資産決済に関係する可能性があります。
現在のNFT購入では、ETHなどの暗号資産、ウォレット、ガス代、日本円換算などが初心者のハードルになります。
特に海外マーケットプレイスでは、NFTの価格がETHで表示されていることも多く、日本円でいくらなのかをすぐに判断しにくい場合があります。
NFT購入のハードルを下げる可能性
NFTを購入するには、一般的に以下のような準備が必要になります。
- 暗号資産取引所の口座を開設する
- ETHなどの暗号資産を購入する
- ウォレットを作成する
- ウォレットへ暗号資産を送金する
- ガス代を理解して取引する
これらの手順は、初心者にとってかなり複雑です。
日本円建てステーブルコインがWeb3決済に広がれば、将来的にはNFTやデジタル資産の購入体験がわかりやすくなる可能性があります。
たとえば、NFTの価格を日本円ベースで理解しやすくなったり、企業が発行する会員証NFTやチケットNFTの決済に使われたりする可能性があります。
ただし現時点では対応サービスは未定
注意したいのは、現時点でEJPYがどのNFTマーケットプレイスやWeb3サービスで使えるようになるかは決まっていないという点です。
日本ブロックチェーン基盤株式会社の発表でも、取扱開始時期、発行条件、取扱事業者、利用可能なサービスなどは、今後決定次第公表するとされています。
そのため、「EJPYがすぐにNFT購入に使える」と考えるのは早いです。
現段階では、日本円建てステーブルコインがWeb3決済やデジタル資産決済に広がる可能性のあるニュースとして理解するのがよいでしょう。
日本円ステーブルコインの動きは国内でも広がっている
日本円建てステーブルコインをめぐる動きは、EJPYだけではありません。
日本では、JPYCなど日本円建てステーブルコインに関する動きも進んでいます。
日本では、EJPY以外にも日本円建てステーブルコインの動きが進んでいます。たとえば、2025年10月には日本円建てステーブルコイン「JPYC」の正式発行が報じられました。JPYCは日本円に交換可能で、国内預金や日本国債を裏付けとする仕組みと説明されています。
こうした動きを見ると、日本円ステーブルコインは、国内のWeb3決済やデジタル資産取引において今後さらに注目されるテーマになりそうです。
EJPYはその流れの中にある新しい動き
EJPYは、Japan Open Chainを中核基盤とする日本円建てステーブルコインとして発行準備が進められています。
すでに日本円ステーブルコインの事例が出てきている中で、EJPYは企業間決済やデジタル資産決済、Web3サービス決済を見据えた新しい動きといえます。
NFTやWeb3の分野では、技術そのものだけでなく「どうやって支払うのか」「どの通貨で価値を扱うのか」も重要です。
その意味で、EJPYのような日本円建てステーブルコインは、Web3の利用環境を整えるインフラのひとつとして注目されます。
EJPYを利用する前に注意したいこと
EJPYは注目度の高いニュースですが、現時点では発行に向けた準備段階です。
そのため、今すぐ一般ユーザーが自由に購入・利用できるものとして考えるのではなく、今後の正式発表を確認することが大切です。
特に、以下の点は確認しておきたいポイントです。
- いつから利用できるのか
- どの事業者が取り扱うのか
- どのウォレットやサービスに対応するのか
- 発行や償還の条件はどうなるのか
- 個人ユーザーも利用できるのか
便乗詐欺や偽サイトにも注意
新しい暗号資産やステーブルコインの話題が出ると、それに便乗した偽サイトや詐欺が出てくる可能性があります。
特に「今だけ購入できる」「公式販売」「早期参加」などをうたうサイトやSNS投稿には注意が必要です。
現時点でEJPYの取扱開始時期や利用可能サービスは今後公表される段階です。情報を確認する場合は、日本ブロックチェーン基盤株式会社やJapan Open Chainなどの公式発表を確認するようにしましょう。
よくある質問
EJPYはもう使える?
現時点では、EJPYは発行に向けて準備が進められている段階です。取扱開始時期や利用できるサービス、発行条件などは、今後決定次第公表されるとされています。
EJPYはNFTの購入に使える?
現時点で、EJPYが特定のNFTマーケットプレイスで使えると発表されているわけではありません。ただし、EJPYはデジタル資産決済やWeb3サービスでの決済が想定されているため、将来的にNFT関連サービスと関係する可能性はあります。
ステーブルコインと暗号資産は何が違う?
暗号資産は価格が大きく変動することがあります。一方、ステーブルコインは円やドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計されており、決済や送金に使いやすいことを目指しています。
日本円建てステーブルコインにはどんなメリットがある?
日本円建てであれば、日本国内のユーザーが金額を理解しやすくなります。Web3サービスやNFTの価格を日本円に近い感覚で把握できるため、初心者にとって心理的なハードルが下がる可能性があります。
EJPYを使うときに注意することは?
公式発表以外の情報を安易に信じないことが大切です。新しいステーブルコインの話題に便乗した偽サイトや詐欺が出る可能性もあるため、取扱開始時期や対応サービスは公式情報で確認する必要があります。
まとめ:EJPYは日本のWeb3決済を広げる一歩になる可能性がある
EJPYは、日本円に連動するステーブルコインとして、Japan Open ChainおよびEthereum上で発行される方針が発表された新しい動きです。
企業間決済、デジタル資産決済、送金、Web3サービスでの決済などが想定されており、日本円建ての決済手段として今後の展開が注目されます。
特にNFTやWeb3サービスでは、暗号資産やウォレット、ガス代などが初心者にとって大きなハードルになっています。
日本円建てステーブルコインが普及すれば、将来的にデジタル資産の購入やWeb3サービスの利用が、よりわかりやすくなる可能性があります。
ただし、EJPYは現時点では発行準備段階であり、取扱開始時期や利用可能サービスなどは今後の発表を待つ必要があります。
NFTやWeb3に関心がある方は、EJPYのような日本円ステーブルコインの動きにも注目しておくと、今後のデジタル資産決済の変化を理解しやすくなるでしょう。
執筆者情報:エヌエフトリウム
エヌエフトリウムは、NFTやブロックチェーンに関する情報を初心者にもわかりやすく発信するメディアです。NFTの購入代行・販売代行・出品代行・ミント代行などのサービス提供に加え、市場動向や技術の基礎知識もブログでわかりやすく解説しています。
